今回は「2~3時間(作業時間は1~2時間)でSDXL規格に対応したLoRAを無料で作成する方法」についてご紹介したいと思います!
「SDXL規格」という言い方が正しいのかはわかりませんが(詳しい人ぜひ間違っていたらご指摘ください!)、この記事では「SDXL規格」「SD1.5規格」という言い方で説明します。
前回の記事までは、主にSD1.5の規格の環境での制作をしていましたが、SDXL規格のModelを使用することで、生成画像のクオリティが爆上がりしました!
大きなサイズの画像が生成できるようになることで、描かれる内容に崩れや破綻が少なくなり、構図のバリエーションも大幅に増えました。
SDXL規格のモデルを使用する際は、SD1.5規格の環境で使っていたLoRAは使えなくなりますので、自作のSD1.5規格のLoRAを使っていた方は、SDXL環境でも使えるLoRAを新たに準備する必要があります。
これまでと同じように、「Kohya’s GUI」を使って制作をすることは可能なのですが、さらにPCのスペック(主にビデオメモリ・VRAM)を求められることや、これまでと同じ設定でLoRAを作成しても、狙った効果を得られない、ということが私の環境では起こってしまい、現状の環境ではLoRA制作は難しいかなーとあきらめモードでした。
しかし、諦めの悪い私は「どうしても性癖に刺さる画像を自分で生成したい!」という思いから情報収集の末、私のクソ雑魚PCでも超簡単にSDXL規格対応のLoRAを無料で制作できる方法にたどり着くことができました!
完成までのすべてを公開しますので、ぜひ最後までご覧ください。
用意するもの
- LoRA学習用画像15枚程度
- 画像ごとのPromptを記載した.txtファイル
- Civitaiのアカウント(無料)
- CivitaiのBuzz(ポイント)(購入が楽だが無料でも増やせます)
たったこれだけです!もちろんPCは用意してくださいねw
手間と時間がかかるのは、1と2のファイルの準備だけです。
といっても、たった15枚程度の画像とそのプロンプトだけなので、慣れてしまえば1時間あれば用意できてしまいます。
(1)LoRA学習用画像を15枚程度用意する
SD1.5規格のときに作っていたものとほとんど変わりはありません。
生成したい要素が含まれた、背景が白単色の画像(.jpgまたは.png)を作成します。
画像は1.png,2.png, ・・・ 15.pngと連番で名前を付けて保存をしてくださいね。
1点だけ違うことは、画像のサイズを「1024ピクセル×1024ピクセル」で作成してください。
SDXL規格では、512×512ピクセルといった小さい画像サイズは逆に不得意で、潰れた画像が生成されてしまいます。
(2)各画像に対応したプロンプトを記載した.txtファイル
これはSD1.5規格でやっていたことと全く同じ作業です。
LoRAでキャラクリしたプレイヤーキャラのイラストを大量生成する【Stable Diffusion】
https://www.gaming365.shop/2024/02/24/kohya
こちらの記事をご参考にしてください。
(3)Civitaiのアカウント作成
画像生成AIをはじめている方であればだいたいの人はすでに持っているであろう、Civitaiというサイトでアカウント作成を行います。
(4)Buzz(Civitaiサイト内の各種サービスで使えるポイント)を入手
お金をかけずにLoRAを作りたいとお考えの方は、ここが一番時間と労力がかかるかもしれません。
Civitaiのサイト内で提供されている各サービスを利用するために使うポイント「Buzz」を入手します。
Buzzはアカウント作成時に100Buzzだったかな?付与されていますが、だいたい700Buzzくらいあれば、LoRAが一つ作成できます。
Buzzの販売価格
Buzz | ドル | 日本円 |
5,000Buzz | $5 | 約705円 |
10,000Buzz | $10 | 約1,410円 |
20,000Buzz | $40 | 約5,640円 |
海外のサイトのためドルでの販売になるので、日本円にすると変動しますが、記事投稿時だとこんな感じです。
700Buzzほどあればよいので、700円ほど払って5,000Buzz購入してしまうのが一番てっとり早いです。
「どうしても無料で作りたい」という方もご安心ください、BuzzはCivitaiサイトを活用することで、少しずつですが無料で増やすことができます。
Buzzを無料で増やす方法
(1)他のユーザーが投稿しているModelやImageにリアクションをつける
Civitaiではユーザーが自分で作ったModelや生成したImageを公開しています。
そういったものに対し、ハートやGoodを送ることで、1投稿につき2Buzz獲得できます。上限は、一日50投稿へのアクションまで、つまり一日最大100Buzzが無料で入手できます。
(2)自分が生成した画像をアップロードする
生成した画像を自分のアカウントでアップロードすると、1日1件のみですが、25Buzzを獲得できます。
(3)他のユーザーをフォローする
お気に入りのユーザーをみつけてフォローしてください。1日3名まで、1人につき10Buzz獲得できます。
他にも獲得手段はありますが、手軽にBuzzを集められるのはこの3つになるかと思います。他の方法も知りたい方は、こちらのページから確認してみてください。
https://civitai.com/user/buzz-dashboard
(5)Civitaiへ学習データのアップロード
Buzzがあつまったらいよいよ生成です。
Civitaiのサイトのヘッダー(ページ上部)の紺色の「Create」ボタンにカーソルを載せると表示されるリスト内のダンベルのアイコン「Train a LoRA」をクリックします。
ページが遷移しますので、Create your LoRAで作成したいLoRAのタイプを選択します。
このページを見ている方の大半は「Character」を選択すれば問題ないでしょう。
そして、その下の入力欄に、LoRAの名前を入力し、「Next」ボタンをクリックします。
ページが遷移するので、「Drag images(or a zip file)hete or click to select files」の点線で囲われたグレーのエリアに、(1)(2)で作成したファイルをzipファイルにまとめてドラッグします。
zipファイル内を自動で認識して画像とプロンプトのセットを表示してくれますので、中身に問題がないか確認します。
データはご自身が権利を保有しているものかの確認が表示されますので、チェックを入れてください。(チェックが入れられない画像は使わない方がトラブルを回避できます)
その下に、作成したLoRAを共有するかのチェックがありますが、公開したければチェックをいれてください。こちらはチェックしなくても先に進めますので、個人的に楽しむためのLoRAであればチェックは不要です。
チェックができたら、「Next」ボタンをクリックします。
トレーニング設定が表示されますので、デフォルトの設定から一部変更します。
これは私の作成するLoRAに適した設定なので、もしかしたら学習データによってはうまく生成がされない可能性もあります。正解はご自身で見つけていただくようお願いします。
SDXL Standard → Pony
Training Parameters
Epochs 10 → 15
Num Repeats → 13
Train Batch size 5 → 2
このように変更すると、画像15枚でトレーニングする場合、必要なBuzzが700弱になるかと思います。
Submitボタンをクリックすると、トレーニングがスタートします。
トレーニングはCivitaiがオンラインで行ってくれるので、PCのスペックは関係ありませんし、あとは完成を待つだけなので、パソコンは自由に使えます。ブラウザを閉じてしまっても構いません。
トレーニングが終了すると、Civitaiからアカウントに登録しているメールアドレス宛にできたよーとメールが届きます。
これでSDXL規格対応のLoRAが完成です!
記事にすると長くなってしまいましたが、難しい設定もなく簡単に作成ができるので、私はこのやり方でLoRAを作成しています。
SDXL規格のおすすめモデルの紹介記事はこちら
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